
「お待タセられましタ!」
日本のアニメが大好きで、
字幕なしで観たい一心から日本語を学び、
やがてツアーガイドになった毛麗蘭――ランちゃん。
物語の始まりから、彼女はとにかく一生懸命。
今日もまた、文化も、言葉も、常識も違う人たちが
一台のバスに乗り込んでいきます。
ランちゃんの目を通して描かれるのは、風景だけではなく、人と人とが近づいていくまでの小さな瞬間。バス旅の先には、たくさんの出会いと勘違いと笑いが待っている。
一緒に旅を続けたくなる、明るくてあたたかな連作の幕開け。
この旅はまだ始まったばかり。







それは願望か、記憶か、それとも…
あのとき別の道を選んでいたら。
叶わなかった夢が叶っていたら。
今とは違う誰かと生きていたら。
誰にでも一度くらいある、そんな「もう一つの人生」への想像。
古いiPodや骨伝導スピーカーの部品から組み上げた小さな機械。
そこに映し出されたのは、過去の記憶と、かつて思い描いた「もしもの人生」。
そのひとつを「五感ごと体験」できるとしたら
――あなたは、再生ボタンを押しますか?





大企業への初出勤。
緊張いっぱいの萌華が出会ったのは、想像していた“完璧なエリートたち”とは少し違う、妙に人間くさい職場でした。
入館証を忘れて警備員に顔を覚えられている守原。
距離感がおかしい課長。
そして、それを絶妙なタイミングで止める女性社員たち。
少し騒がしくて、ちょっと面倒で、それでも誰かの明日が始まっていく。
働くことの可笑しさと愛おしさを感じさせる、にぎやかな物語のはじまりです。





いじめられ、誰にも期待されず、目立たないように過ごしてきたN。
そんな彼が部活を通して自信を取り戻し、少しずつ人の輪の中へ入っていく。
そして高校最後のクラスマッチで現れたのが、ずっと憧れていたKさん。
手が触れただけで舞い上がり、ひと言褒められれば無敵になった気がする。
その不器用さが可笑しくて、同時にどこか切ない。
傷ついた記憶があっても、人は誰かの笑顔ひとつで、もう一度自分を好きになれるのかもしれない。
恋が始まりそうで始まらない。
けれど、その時間そのものが、きっと青春だった。
笑いながら読んで、最後には少しだけ胸があたたかくなる一篇です。


ー ご紹介した書き手さん










