
正義の灯が消えかけた世界で、ひとりの少女が剣を握る。
本作は、ソフィア家の正統なる後継者エンドリアが、特殊能力「トランスフォーメーション」を身につけ、混乱の時代に立ち向かっていくファンタジー小説です。
かつて平和を守るために受け継がれた「オーラの剣」は、やがて人間の欲望と争いの中で、その意味を失っていきます。
そんな世界に生まれたエンドリアは、育ての親であるライアン公爵のもとで剣を学び、武道を鍛え、古の精霊たちの力を呼び起こしていきます。
心と体の均衡によって発動するトランスフォーメーション。
それは、少女がただ戦士へ変わる力ではなく、自らの正義を見つけていくための道でもあります。
失われた秩序の中で、エンドリアは何を守り、何のために戦うのか。
王道ファンタジーの輝きと、少女の成長がまっすぐに描かれた、希望を感じさせる物語です。







十五歳になったエンドリアは、ついにソフィア家の戦士としての儀式に臨む。
精霊から授かった銀の指輪、守り鳥リトーとの出会い、そしてライアン公爵との真剣勝負。
本作では、幼い頃から積み重ねてきた修行が、ひとつの通過儀礼として結実していきます。
印象的だったのは、エンドリアがただ強さを求めているのではなく、「人を傷つけたくない」という気持ちを抱いたまま、戦う力と向き合っているところです。
大きな使命を背負う少女でありながら、その心にはまだ迷いや不安があり、その優しさこそが彼女を正義の側に立たせているように感じました。
ライアン公爵との戦いに勝利した場面には、師に認められる喜びと、これまで守られてきた場所から一歩外へ出ていく寂しさが重なります。
少女が戦士へと変わる瞬間を描きながら、そこに人の温かさや別れの気配も宿っている。
エンドリアのこれからの旅路を、そっと見守りたくなる一篇です。









剣術の授業を通して、エンドリアの力が少しずつ周囲に知られていく。
友人たちとの会話、ノートを見せ合う時間、学食での何気ないやり取り。
そうした普通の学生生活を楽しむエンドリアの姿があるからこそ、剣術の授業で見せる圧倒的な強さがより鮮やかに映ります。
印象的なのは、彼女が強さを誇るのではなく、周囲との距離が変わってしまうことに少し戸惑っているところです。
特別な力を持つ少女が、仲間と出会い、少しずつ自分の居場所を広げていく。
戦いの物語でありながら、学園の日々の温かさも感じられる一篇です。
ー ご紹介した書き手さん











